初めてお花をプレゼントされて以来、長男は何度かお花をくれるようになった。先だっては庭に咲いている名前のわからないお花をおばあちゃんと摘んできてくれた。
「ババしってる？ おかあさんは、お花が好きなんだよ、おんなのこだからさ」といって一緒にチョキンとしてくれたらしい。泣かせるじゃないか。その直前までアレコレと喧嘩して激ギレしたことが自己嫌悪になるほど、心にきた。
いままでは、お花が好きかと言われたら別に好きでも嫌いでもないけど、貰ったらまあ嬉しいかな、くらい。花の手入れなどとは無縁だし、それこそ花より団子を地でいく感じだった。あれば生活に色がつくから素敵よね、と思いつつ花を買うことはなかった。せいぜい墓参りにいくときにかう仏花くらい、そんなもんだ。
が、長男から貰う花は特別中の特別、その辺の雑草でも価値あるもの、いままでは石ころを沢山貰っていただけに喜びと嬉しさの倍の倍の倍だ。多分最初に貰ったときに、どえらいテンションで喜んで嬉しい嬉しいと言ったのを覚えていて、“おかあさんは花がすきだ”とすり込まれている。そういうこともあり、花っていいもんだなと私も思い、最近は貰うだけではなく自分から花を添えてみるか、と思うようになった。自動で配達されるお花のサービスも見たが、はたと思う。どうせなら、長男と花を買いに行けばより楽しいじゃないかと。
こんな花があるね、綺麗だね。と言いながら花を買って帰る。それは素敵な日常の思い出になること間違いなし。いつかクソババアと言われたときのためにこの思い出を心に焼き付けておくんだ。あとは、将来そうやって、人に花を贈って喜んで貰えるようになったら嬉しいなあ。
