礼状を書くにあたり絵はがきのストックが無くなってしまった。できれば伊東屋あたりに買いに行きたいけど、なかなか時間が取れない。アマゾンで色々探してウィリアム・モリスの絵はがきが箱入りで入っているものを買った。
梱包からあけると、思いの外というかとても素敵でテンションがあがってしまった。先輩に軽口で「これめっちゃ素敵じゃないですか」と自慢してしまうほどに。
たった1枚礼状を書くつもりでセットを買ったけど、どの柄もお見事。買ってから調べたら、ヴィクトリア&アルバート博物館で売っているものだったと。思いがけずにとても良い買い物をした。
箱から100枚を手にとっていろんなカラフルな柄を眺めていると、むくむくと沸き起こるは手紙を書きたくなる欲。いっそのこと文通したい。といっても最近手紙のやり取りをするようなことは、礼状を送るときか(それもたまに)、恩師と筆まめな先輩ひとりくらい。恩師に至っては学校の先生なのに筆まめではなく、返事が来たり来なかったり。なんでだよ。
書きたいからとりあえず早めの暑中お見舞いを書いてしまった。文の終わりに“令和元年 夏”と書いて新元号のきれいな響きを実感した。
他に出せるような人いないものか、と思うが、唯一いた。同僚だ。
同僚も筆まめで、遠い家族によく季節の絵柄を購入しては、手紙を送っている。とはいえ、隣にいて毎日8時間は顔を合わせる同僚に暑中お見舞いを送るのはいささか滑稽。なので、「いつか私たちが遠く離れたら、文通しようね」などと、女学生のような約束をした。遠いのか近いのか、いつになるかわからない。でも、この箱に入ったたくさんの“絵はがきたち”は使い切れずにきっと残っているだろうから、同僚らしい絵柄を選んで書くその時を楽しみに待っておく。