のらりくらり日常日記

雑記。ただただ何の役にもたたないことを書くだけ。

月を見て歌をうたう夜

奇跡のようなロマンチックな夜が訪れた。日中に「今日は満月だよね」と会社の先輩が言った。星座のアプリを入れて夜空を見ながら見るのが楽しい、子供と一緒にみるといいんでは? と教えてくれたので早速ダウンロードし長男と夜眺めてみようと思った。

 

帰宅してから夕飯をそこそこに、色々慌ただしく過ごす。お風呂後、アンパンマンのグミが食べたいと大いにごねる長男。買い置きし忘れていた自分を心の中で叱咤して、しょうが無いからと一緒にコンビニに行った。口ずさむは「つのつのいっぽん赤鬼どん。つのつのにーほん青鬼どん。こころうーかれてこころうーかれておーどりだっすー」をエンドレスでうたう。

 

夜は鬼がみてる、というのがスタンダードなので住宅街の木の隙間から見える電灯の光に鬼がいる・・・と神妙な顔をして移動し、車に入念に気をつけて歩く。湿気のない風が心地よい。が、折角外にいるのに私は満月のことをすっかり忘れていた。

 

家に帰って冷蔵庫に買っておいたドーナッツが誰かに食べられていることに怒り吠えをし、バタバタと寝床に入って一息ついた時。携帯のMusic ライブラリをいじりたいと言う長男。『ファイディング・ドリー』で流れた、ルイ・アームストロングの「What A Wonderful World」を流し始めて一生懸命うたおうとしている。「へんなうただね〜」と英語が難しいようで「これは英語っていうんだ。abc〜だよ」と教えながら、窓際にあるベッドの上でそれをゴロゴロしつつ口ずさむ。そこでようやく窓に目をやり満月であることを思いだした。

 

「ほら、今日はまんまるお月様だから見て御覧」といって、窓から満月を愛でるわたしたち。赤ちゃんは、唄っている私たちをニコニコ笑いながら見ていた。

 

残念ながらお月様は雲に隠れてしまい、長男の興味はうたうことに集中。何度もリピートして渋く響きわたるルイ・アームストロングの歌声と、雲から出たり入ったりの満月を眺める私。あまりのロマンチックな状況に目眩がするほどだった。素敵すぎるこの夜。

 

ルイ・アームストロングの顔を眺めてかっこいいね、という息子。そう言ってくれてなんだかとても嬉しい。その後は『カーズ3』の「Ride」と「エンジン」をリピートしだしたので一緒にノリノリにうたった。慣れたもんでどっちもギターのメロディーを口でてれれれれ〜と言っていて、子供の吸収力は凄いなあと感心。そして、結婚式ごっこもそうだけど連日このようなロマン溢れる出来事が頻発して感動が止まらない。

 

その日は寝かしつけもすんなりいって暗い部屋で振り返る。食べられたドーナッツへの怒りも浄化された。すると猛烈にお腹が空き、卵かけご飯と残り物の焼き豚をバクバク食べて寝ることにした。心もお腹も満たされた。

夜空を見ながら歌を唄う遊びを何度も重ねていこう。そうしよう。

この素晴らしき世界