のらりくらり日常日記

雑記。ただただ何の役にもたたないことを書くだけ。

電車通学で恋した中学生の頃の思い出

現実がスパイシー過ぎて、現実逃避しようとラジオに耳を傾けたら、野外イベントであった人を街中で見たので、声をかけたといったようなリスナーのエピソードが聞こえてきた。そう言う出逢いから何かあるかもとDJは言う。

 

中学生、小学生時代の塾友達のゆうちゃんと電車で一緒に通っていた。小学生を卒業したほやほやの私たち、ギューギューの満員電車にまだ形の崩れていない、新品の学校のバッグを必死に人混みの中に持って行かれないように乗って日々過ごしていた。

学校ではみな電車通学、そして女子校。学校につけば話題の一つは、どこどこ学校の人がかっこいいという話。

例にももれず、ゆうちゃんも私も数ヶ月もすれば、毎朝会うどこそこの学校の好きな人をお互いに見つけて、ギューギューの満員電車のオアシスになっていた。ゆうちゃんの思い人は私たちの最寄り駅から一緒。私の思い人は、最寄り駅から数駅のところで乗ってきて、乗り換える際の駅が同じだった。満員電車の中、遠くから眺めてはキャッキャとしていた。

さらに数ヶ月経ち、バレンタインの季節。女子校でお菓子の持ち込み禁止、でもみな通学路で渡そうと浮かれていた。私たちもウキウキしながら某デパートの混雑するチョコレート売り場に買いに行った。トイレに入ったゆうちゃんはかつあげをされてしまうまでは。東京は怖いとその時初めて思った。

 

毎日毎朝、見てるんだから勇気をだして渡すだけ。当日、ゆうちゃんは声をかけて、その人に渡した。この後私も渡すから、正直ゆうちゃんが渡すのを見るドキドキより、ちゃんと声をかけられるだろうかとか、緊張のピークだった。

そして、私の思い人が乗ってくるいつもの駅で一旦ホームに降りて探すと、いない。いない?! テンパりながらまた押し込まれるように乗る。ゆうちゃんとこそこそ話ながら今日はいない・・・とひどくがっかりして、ちょっとホッする気持ちだった。

学校でも渡せなかったという話と、みんなのキャッキャとした話が持ちきりだった。可愛い子は、すでに思い人と会話をして友達になったりしていた。さすが、レベルが違う。

バッグの中のチョコレートの存在にがっかりしながら、いつもの通りゆうちゃんと帰宅途中。すると、帰りに見かけたことがなかったあの人がいた。あんなドラマティックなことはその後の人生、そうそうなかったと思う。ダッシュで駆けよって、山手線から降りる彼に、これを! と渡したのだ。 凄く面食らった顔をしていたが、有難うと言ってくれた。いつも一緒にいる身体の大きな同級生にからかわれながら、その人は帰っていった。渡しただけで達成感が半端なかった。

 

3月のホワイトデーは、長い試験休みのため学校がない私たちは、ただ何もなく過ごした。その後、その彼から家にお手紙が貰えた。高校1年生であること、趣味は文章を書くこと、お礼と、今度遊びませんかという返事と家の電話番号が書いてあった。びっくりした。ゆうちゃんに電話をして、どうしようどうしよう、となりつつもわかりましたと、電話番号を書いて返事を出した。

まさか、このような展開になるとは・・・・・・と言う戸惑いと、浮かれた気持ち、緊張感、すべてがぐちゃぐちゃで混沌だった。

結局ゆうちゃんと私、その人と身体の大きな友達の4人で動物園に行った。ど緊張だった。緊張しすぎて、いつも大盛りご飯でも足りないのに、動物園ではほぼ食べられなかった。しゃべることもほぼできなかった。

なんだこれは、なんでこんなに緊張するんだ。と言う思いでいっぱいの心の中。身体の大きな友達がその場を取り持ってくれてた。彼は、「競馬が好きで分析してる」と言っていた。高校生にもなると、競馬をやるのか・・・・・・と妙に感心したのが印象的だった。

帰ってきて思ったのが、デートっていうものはこんなに疲労するのか。付き合うとはこんなにも大変なものなのか。そういう思いだった。既にそこにその人のことが好きとかそう言う気持ちがあったかどうか、もはや覚えていない。数週間いろんな思いを交錯させて結局、お付き合いはしないということになった。

結局、恋に恋してその人を好きかどうか、大事なことが分かってなかったんだろう。でも、ほんとうにあの彼には失礼なことをしてしまった。申し訳ない。

 

この電車の恋の一件以来、痴漢から助けてもらった別の学生の彼にもいいなと思ったけども、いやこれは恋ではない、と、ただただ彼が卒業するまで眺めるような臆病になってしまった。

 

とはいえ、初デートで緊張してしゃべることができなかった少女が、時を経て、自分の結婚式の2次会で酔っ払いながら司会者からマイクを奪って司会をするようになるんだから、人生とはわからないもんだ。