のらりくらり日常日記

子育て記録、すきなもの、日記、思い出など。ただただ何の役にもたたないことを書くだけ。

『ウォーリアー』をみておしり拭きで涙を拭く母

トム・ハーディー熱が再燃中。何本か観て思ったがかっこいいクールな役、ヒーローな役、木訥無口で最強な役、危うさを持った狂気な役、どの役も本当にすごい。圧倒的存在感で、脇役でも目がいってしまう。完全に贔屓目だからだと思うけども。久しぶりに観た映画が『ウォーリアー』、日本未公開だったとのこと。総合格闘技がが好きな上にトム・ハーディー。ドンパチすっきりするかな、そう思い前評判一切観ずに観た。

eiga.com弟トミーがトム・ハーディー、兄ブレンダンがジョエル・エドガートン、そしてアル中親父がニック・ノルティ。始めの方でアル中親父のニック・ノルティに、老けたなあ。エディ・マーフィーとの映画が好きだったなという雑念をもっていたが、観ている内に、そんな軽い思いはどっかにいってしまった。

子どもの頃にアル中の親父の元を母と逃げたトミーが、久しぶりに親父のもとに訪れる。新たに開催される総合格闘技の大会のコーチを頼むために。トミーは親父のコーチのもと、レスリングで連戦連勝、期待の星で有名だった。母と二人になった後に、海兵隊に入隊。そして、同じくレスリングをしていた兄は弟ほど結果を出していたわけではなく、アル中親父の元にそのまま居て、その後結婚。兄は物理教師になり幸せな家庭を築いていたが、娘が難病という中でお金のためにこっそり副業で格闘技のファイターで稼いでいた。そして、その副業が見つかり勝てば500万ドル得られるという総合格闘技の大会を目指す。そこで、兄と弟が相まみえる。

全員が過去を引きずって引きずって、重い岩のように引きずってるその姿に胸が終始痛い。トミーは、ずっと親父を許していなかった。そして、彼女(現妻)と一緒に居ることを選択した兄も許していなかった。そして、トミーは自分自身も許していなかった。悲しいまでに孤独で、それでもある理由のために闘うその姿、今まで観た映画の中でも一番孤高のヒーローだった。“一人だけの軍隊”のランボーのような孤独ではない、本当になんともいえない閉じこもった孤独さが終始あった。辛かった。黒いフードをかぶり相手を殺さんばかりに睨むトム・ハーディーのその目。魅了される。 アル中親父はカウンセリングに受けて断酒。それを誇りに思い、息子達に自慢する。勝手だ。観ていて勝手だよなこいつ、と思っていたが、身内のこの兄弟にからしたら、反吐がでるほど勝手だと思うだろう。勝手に克服して、勝手に許してくれといって、余計に許せなかったのではと感じた。各々、許せずに責めるが、責めた後に結局自分自身も自己嫌悪に陥っているように見えた。家族って正論だけで片付けられないものがあるし、どうしてもどんな家族でもそんな簡単に切って捨てられないものだったりすると思う。何よりも辛い枷のようだ。

終盤、アル中親父にトミーが責め立てた後のシーン。親父を許していないけど、愛していないわけじゃないんだな、そう思った。ここも観ていて凄く、辛かった。そしてトミーの優しさと想いが痛いほど伝わってきた。

リアルな肉体美で、トム・ハーディーの総合格闘技姿が観られるなんてこれは垂涎ものだ! なんて軽い気持ちで思っていた自分を叱咤したくなる。深い深い家族の愛を実感できる映画。その後この家族がみんな幸せになることを妄想しつつ、おしり拭きで涙をそっとぬぐった夜だった。

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