のらりくらり日常日記

雑記。ただただ何の役にもたたないことを書くだけ。

メガネの割れたおじさんに想う

マンションオーナー経由で業者にエアコンの掃除をお願いした。うちの会社の営業時間外に来てもらう予定だったが、「道路が混んでるから遅れます」と電話。遅れると言った時間は営業時間開始時間だった。まあ、仕方ない。しばらくして鳴るインターフォン。モニターを除くと、おじさん。メガネが半分バキバキに割れているおじさん。面食らった。そして同時になんとなく嫌な予感がした。
とにかく掃除、掃除をお願いします。とはなし、私は業務に取り掛かる。ちらっとおじさんを見る。やはりメガネは割れている。養生をして、掃除を開始。社内は、掃除がうるさいだろうと思い、社長ほか私以外の社員は遅れてきてもらうようにしていた。おじさんは頑張っていた。お水がほしいと私に言えず、給水機のチョロチョロからバケツに水を汲もうとしたり、ベランダに出たら強風に煽られて会社の書類達が吹き飛んだり、汚水のホースをうっかり社長の机の上にピシャッと飛ばしたり・・・・・・。嫌な予感は的中したとうんざりした。声をかけ手伝いつつ、ハラハラしながらチラチラ見る。最初は勘弁してくれおっさんと、思っていたがふと思った。コント中の志村けんに似ている。行動ひとつ一つが、志村けんのコントの動きに見えてしまう。参った、途端に愛着が湧く。雇われているのか、一人で企業してやっているのか、家族はいるのだろうか、そのメガネはいつ割れたのだろうか・・・・・・。社長の机のシミになった書類よりも、おじさんの生活が気になってしまった。そうこうしているうちに終わる作業。おじさんは帰っていった。床にシミを残したまま。

エアコンはもう嫌な臭いはしなかった。とりあえず私は周辺の汚れをアルコール除菌しながら掃除をして、他の社員が来るのを待つ。あのおじさんのインパクトを共有したかったが黙っておいた。なんか怒られそうだから。

あのメガネは何で割れたか、その謎が気になってしょうがないそんな1日だった。